ROMA_F.GIF - 2,771BYTES

 

 

 ネオン街を抜け、小さな街灯がチカチカと光る細い道を入る。神社の横の古い4階建てのアパートの最上階の隅の部屋。夜の静寂に電話の音が鳴り響く。
「......はいはい、ちょっと待って」
 ベッドから女が起き上がる。横で眠る男の回した腕をそっとどかして電話に手を伸ばす。
「はい......あら、憲武さん、お久し振り」
『ごめんねー、お邪魔だったかなー?』
「なぁに言ってんですかあ、ちょっと待って下さいね」
 電話の向こうの相手のからかいの言葉に軽く笑って返して、電話を一旦置くと眠っている男を身体を揺さぶった。
「ちょっと、教昭」
「.....ん〜、何だ......もっかいやんのか.....?」
「何言ってんのよ、電話よ、憲武さんから」
「.....憲武さん?....ああ、分かった」
 男は頭を掻きながら眠そうに起き上がると首をこきこきと鳴らして、電話を取る。
「はい、星野です」
『悪いねホッシー、お楽しみのとこ邪魔しちゃって』
「ははは、大丈夫っすよ、何かありました?」
 木梨組の総元締・木梨憲武を支える頼れる参謀長、星野教昭は煙草に火をつけながらベッドの縁に座り直した。
『折角休んだとこ悪いんだけど、これから来てほしいんだわ』
「構いませんけど、何か?」
『.......ちょっとやっかいなもん拾っちまってね、ホッシーの意見も聞きたいから』
「やっかいなもん?」
『貴明んとこの情報屋から電話が来た』
「はい?」
 その素頓狂な声に、女も思わず振り返る。星野は煙草を落としそうになって慌てて灰皿を引き寄せると、目で女に服を取るように言った。不思議そうな顔で、女は立ち上がって散らばっていた衣服を渡す。
「石橋のって....成井って奴ですよね。来たって、どういうことですか」
『本人の意識も虚ろでよく分からないんだが、どうやら何かやって切られたらしい。めっちゃくちゃにヤキ入れられたみたいで、どこでどう調べたか知らんが助け求めて俺の携帯に直接かけてきた』
「.......」
『道端に転がってたからとりあえず拾ってきたんだよ。武器も持っちゃいねえ』
「.......でも、あの成井一浩ですよね、何考えてるか分かりませんよ」
『ああ。ま、とりあえず至急事務所まで来てくれるか。高久と半田はもう来てる。神波と大原はこっちに向かってる途中だ』
「そこに成井はいるんですか?」
『二人で手当てしてやってるよ。酷い状態だ。医者に連れてく程じゃないが、片方関節はずされてる。ホッシー治せるだろ?』
「はあ、まあ......」
『とにかく話は来てからだ。じゃあ、至急頼むわ』
「はい」
 ぷつんと電話を切ると、星野は煙草を揉み消して衣服を整えた。側の鏡で軽く髪を直す。
「どうしたの?」
「石橋んとこの成井っていう奴がぼろぼろにやられて憲武さんとこに来たらしい」
「あら、彼帰って来てたんだ」
「彼って、舞、お前あいつ知ってんのか」
 少々曲がったネクタイを直してやりながら星野の内縁の妻・舞は笑って言った。
「知ってるっていうか、彼、ひろ美ちゃんの彼氏よ。『SECRET VOYAGE』の」
「ふーん.......」
 聞いた癖にたいして興味なさそうに返事を返す星野に、舞は悪戯っぽく微笑む。
「あら、そんな顔しても何も出ないわよ。あたし達の間では内情をバラすのは御法度なんだから」
「いや、それは分かってっけどよ」
「あたし達にはあたし達なりのルールがあるんだからね、ほら、いいわよ」
「サンキュ」
 ポンと肩を叩いて、舞は星野を玄関まで送りだした。
「ごめんな、折角久し振りに一緒にいられると思ったのによ」
「いいわよ、時間が空いたらまた来て。憲武さんにもたまにはお店の方に来て下さいって」
「そうだな。......ああ、最近新入りが入ったから、そいつも連れてくわ」
「それは楽しみねえ、いくつなの?」
「大原と一緒だよ」
 舞はからからと笑う。
「あら、それはうちの若いコ達の反応が楽しみだわあ」
「じゃ、行ってくる」
「はあい」
 ドアを開けかけて、星野は振り向いた。舞を抱き寄せてキスをする。
「舞」
「なあに?」
「愛してるよ」
「当たり前の事言わないで。あたしもよ、教昭」
「じゃ」
「行ってらっしゃい」
 バタンとドアが閉じられる。カンカンと階段を降りる星野の靴の音が消えるのを待って、舞は再びベッドに入った。

 

 

「すんません、遅くなりました」
「おおホッシー待ってたぜ」
 勢いよくドアを開けて事務所に飛び込むと、中央のソファに成井が寝かされていた。その周りを取り囲むように高久、半田、大原、神波、そしてデスクに木梨が座っている。
「まだ、起きないんですか」
「ずっとぶっ倒れたままだ。持ち物は携帯とパソコンだけ」
「......えらく酷くやられたもんですね」
「そうだな」
「神波」
「は、はい」
 心配そうに成井を眺めていた神波は、星野に名前を呼ばれて向き直る。
「お前族にいたんだろ、こういうの観たことあるか」
「は、はあ、一応」
「どう思う」
「.......相当、ですよね....大分容赦なくやられてる。さっき俺観たんですけど、見えないとことか、凄くて」
「そうか」
「まあ演技でコレは無理だろ」
 木梨はデスクから降りると、成井の顔の痣をつついた。一瞬、成井の眉が寄る。
「おっと、起きるかな......ああホッシー、関節治してやってくれや」
「はい」
 星野は成井を抱き起こすと、身体を支えながらだらりと下がったままの成井の左腕を鈍い音を立てて戻した。うわ、と大原が顔をしかめる。
「医者は行かなくてもまあ大丈夫ですね」
「ひでえことしやがるなあ」
 高久が呟くと、星野は成井を再び横たえて立ち上がった。
「油断はするなよ、あの成井一浩だからな。半田、お前ならどんな人間か知ってるだろ、こいつが」
「ええ、まあそうですね。.....あ、起きそうですよ」
 成井の身体が動く。
「う......ん......」
「......一応何があっても対応出来るように構えとけ。こんな状態じゃ無理かもしれんが何があるか分からんからな」
 星野の声に全員が緊張する。その緊迫した空気の中、成井がゆっくりと目を開けた。
「よお」
「あ.......ここ.....は....」
「うちの事務所だよ」
「憲武、さん.....」
「お前が電話してきた時はびっくりしたぜ」
 痛みに顔を歪めながら、成井はそっと身体を起こした。取り囲む6人を順番に見つめる。
「すみません....お久し振りで....御迷惑おかけしまして.....」
「何があった?貴明に切られたっつーのはマジかい」
「ちょっと.....失敗しまして.....恥ずかしながら。ダメですね俺も」
 星野が屈んで、成井の顎を軽く力を入れて掴む。
「お前程の人間が失敗するとは世程だなあ?何か魂胆があるとしか思えないぜ」
「そう、思われても仕方ありません......今までが今までですからね....っつ」
「まあホッシー、そう力むなや。一応怪我人だ」
「.....そうですね、悪いな、成井」
「いえ、そうされても仕方のない人間ですから」
「とりあえず、何があったか話してもらおうか」
「はい。話します」
 成井は痛みをこらえるように息を吐く。神波は、木梨や半田に聞かされていたような物凄い素性の人間がこんなにも弱々しい表情を見せているのに驚いて、この黒髪の男から目が離せなかった。

 

 

「......ふーん、そりゃえれえ事だったな」
「はあ....まあ....」
 ひととおり話を聞き終えた木梨は、ため息をついてソファに腰を下ろす。
「貴明がいちばん容赦なくやったろ?あいつはそういう奴だからな」
「そうですね.....でも、まあそれも仕方のない事で.....」
「で?お前はどうしたい訳?」
 星野が幾分柔らかい口調で問いただした。黙り込む成井にまだ訝しげな表情を崩さない。
「うちで匿うっつーのは無理な話だぜ。石橋だってこっちにお前が来ることくらい分かってるだろうし、第一お前を完全には信じられない」
「すみません.....でも、ここしか行くところがなくて.....」
「でもなあ、このまんま放り出す訳にも行かねえし....」
「.....状況によっちゃあ、考えないでもないよ」
 木梨の言葉に成井がわずかに表情を緩めた。星野が木梨を見る。
「憲武さん」
「匿うっつうのは無理だから、いっその事こっち入っちゃえば?そのつもりで来たんじゃないの?」
「.......それは.....でも.....人が良すぎますから....」
「でも思ってはいたんだろ?」
「....すみません.....」
「いやいや謝るこたないけどさ。俺んとこに来たっつーことは、それなりの覚悟があってなんだろ?多少お土産くらいはあんのかな?」
「.......向こうのデータをほぼ全部持って来ました。2年間離れてたとはいえあちらのデータ管理はほとんど俺がやってましたんで......」
「そっか、じゃそれ一応見せてもらってからかな。あ、そうだ」
 木梨は横に置かれていた成井のノートパソコンをとって渡すと、思い出したように言った。
「ひとつ聞きたいんだけど」
「はい.....」
「右腕の古い包帯まかれたとこ、アレ何なの?治療する時もお前無意識に触らせないようにしてたけど」
「......ああ.....」
 成井はため息をついて笑う。
「......昔、貴明さんに入れられた刺青です。めちゃくちゃに掻きむしってあって.....もう、思い出したくないんで.....ただコレだけは皮膚ごとどうにかしないとどうにもならないですから、隠してるだけです」
「ふうん」
「......何なら、御覧になっても。星野さん、まだ俺を疑ってらっしゃるでしょう?」
 そう言って星野を見る。
「疑ってるっつーか、石橋に恩があるんじゃないのか?お前は。そういう相手をこれから敵に出来る訳?」
「......貴明さんに恩はありますけど、もうそういう対象としてはあの人を見れませんよ。ほんと、申し訳ないですけどそれはどうしても」
「........」
「手強いですけど、俺だってそれなりにこの世界で生きてきたんですから、仕返しと言っては失礼ですが、出来る限り「お礼」はしたいと思ってます」
「まあまあホッシーもそう言わないで。内情見せてもらおうよ」
「は.....」
「成井、奥に連れて来て。お前達はちょっと待ってて」
「はい」
「分かりました」
 星野が成井の腕をひいてゆく。残された4人はその姿を見送ると、奥へ木梨達が消えたのを見て咳を切ったように話し出した。
「半田さんどう思う?」
「どうって?」
「あいつだよ、成井。確かにあんなにやられてるけどさあ、やっぱ石橋んとこにいた人間じゃん?俺どうも信じられなくて」
 高久のその言葉に、半田はうーんと考え込む。
「そうだなあ、俺も一応同じ職業の人間だし、成井がどういう奴か知ってるけど嘘をついてるようには見えないし。あれだけの失敗なら、石橋さんならやりかねないな、とも思うよ」
「大原は?」
「いや......凄いっすね、俺話にだけは聞いてましたけど、あんな凄い人だとは思いませんでしたよ」
「成井の感想じゃねえっての......まあいいや、神波は?」
「ええ.....俺も大原と同じなんですけど....でも、石橋って人んとこって、相当凄いんすね」
「ああ」
 高久は奥の部屋をちらりと見て言った。
「前にもちょっと言ったけどよ、木梨さんとはいろいろあったらしいからな。ああいう木梨さんとは正反対のとこも含めて対立してるってわけよ」
「はー.....」
「でもこれで石橋の情報が入るならいいじゃないっすか」
「そうなったら俺は降格だよ」
「ええ?」
 半田の言葉に神波が問い返す。
「どうしてっすか?」
「だってお前、いくら俺でも成井にはかなわないよ、あいつはうちらの世界でも指折り、いやトップクラスの情報屋でスナイパーなんだから」
「スナイパー....じゃあ石橋も殺せるんですかね」
「そりゃあ無理だろ、あっちには平山がいるんだからよ」
「平山?」
 初めて聞く名前に神波がきょとんとすると、大原がああ、と笑って説明する。
「石橋のとこの参謀長。かなり腕利きらしいんだ、星野さんと張り合えるくらいの。成井さんだってそれは分かってるんじゃないの?それにあの人、一応恩義があるんでしょ、あっちに」
「まあなあ、それに木梨さんはそういうことが嫌いだしな」
「ふーん......」
「ま、俺達がここでどうこう言っててもしょうがない。憲武さんと星野さんが決めることだから、どうなってもそれについてけばいいんだから」
「そっすね」
「はい」
 暫くして、3人が戻ってくる。
「おう、よく聞けよ。まだいろいろあって完全にって訳にじゃないが、一応成井にはここにいてもらう。いざとなったら人質にでも出来るしな」
「ホッシーそりゃあ言い方が悪いよ」
「.....俺にはもうそんな価値もありませんよ」
 成井が申し訳なさそうに意見すると、星野は笑った。
「まあそうだけどな」
「てことで、身体がもすこしよくなるまではアレだけども、成井には貴明の情報搾取メインにいてもらうから。半田ちゃん、御苦労さんね、成井のサポートしてやって」
「......ほらやっぱり」
 半田がこそっと高久に言う。
「いえ....俺そんな大それたもんじゃないですよ.....」
「だってほんとじゃないの。レベルも成井の方が上だし、こう言っちゃ何だが、もともとあっちの人間なんだからな」
「はあ......」
「いいだろ、半田ちゃん」
 木梨の言葉に半田は少々がっかりして、でも諦めたように成井の方を向いた。
「まあね、それは仕方ないから。気にしないで、成井。出来る限り俺も頑張るから」
「とんでもないです、半田さんの方が先輩なんですから.....」
「......しかし何だな、あの成井一浩がここまで小さくなってるなんて、どうも信じられんよ。いや、疑う訳じゃねえけどな」
 星野がそう言うのに、成井は小さくなる。
「.........」
「ごめんな、悪気がある訳じゃねえんだけどよ」
「いえ....昔の事も俺聞いてますから.....申し訳ありません、ほんとは俺ここで殺されても仕方のない人間なのに.....」
「そんな物騒なこたあしねえよ、第一丸腰の、しかも怪我人に手出す程俺は馬鹿じゃないぜ」
 星野は笑って成井の肩を叩こうとしておっと、と手をよける。
「ま、そゆことだから」
「じゃあ一応、自己紹介ってとこかな」
 木梨の言葉に成井は星野に支えられながらも気丈に姿勢を正した。
「成井一浩です。そういう訳でお世話になることになりましたんで宜しくお願いします」
「お前の事だから他は知ってるだろ?名前」
「ああ、はい、一応.....あ、でも俺の知らないうちに1人......」
 そう言って神波を見る。黒い大きな瞳に観察するように見つめられて神波はドキッとして固まった。
「あ、あの、神波憲人と言います!えと、最近こちらにお世話になるようになりまして...」
「そうか、宜しく」
「こちらこそ宜しくお願いします!!」
「何だ神波、族じゃねえんだから」
 星野が茶化すと、神波は固くなったまま、ちらりと成井を見た。吸い込まれそうな瞳と、穏やかな微笑。こんな表情をする人間がそんな凄いスナイパーだというのも、またここまで変わってしまうのも信じられなくて思わず凝視してしまう。
「この世界では俺は一応先輩だけど、ここではいちばん下だから。何も気にしないで」
「大原と神波でいろいろ教えてやんな。分からないことがあったらこっちに聞けや」
「はい」
 二人に笑いかけて、星野の言葉に成井はほっと息を抜いた。それと同時に周りの空気も一気に解ける。
「あー、住処、どうすっかな。暫くはここで寝泊まりしてもらうしかないけども...」
「あ、えっと、俺一応女がいますんで.....そこに転がり込んでますから....」
「お、まだ続いてたんだ?元気なの?」
「ええお陰様で」
「うちの舞がお前の事知ってるって言ってたぜ」
 ソファにどっかりと腰を下ろした星野がそう言うと、大原が驚いた顔で星野を見る。
「あれえ、舞さん御存じなんですかあ?」
「御存じも何も、成井の女『SECRET VOYAGE』のナンバーワンだってよ。お前も自分の彼女に聞いてみれば?名前くらいは知ってるだろ」
「あ、大原彼女いたんだ」
 神波がそう言うと、星野がああ、と思い出したように言った。
「そうだ、お前も連れてかないとな。俺の女がやってる店。うちのシマのナンバーワンだから、一応」
「女だなんて、もう夫婦同然じゃないっすか」
 星野は足を振り上げてそう言った高久の足を軽く蹴り、木梨をちらっと見て窘める。
「ばーか、内縁だっつーの」
「あ、すんません」
 高久はしまったというように頭を掻いた。
「まあまあ、それはいいから」
 木梨が場の空気を変えるように笑って言う。
「じゃみんなでいろいろ教えてやって。ホッシー、折角成井が持ってきてくれたやつちょっと練ろうや。あ、成井あんま無理すんなよ」
「あ、はい」
「すみません、ありがとうございます。ほんとに」
「いいからいいから」
 二人がまたいなくなると、まず半田が切り出した。
「さて、じゃあ俺らはちょっと休憩しようか。成井、何か食う?」
「あ、えと、すみません」
「いいっていいって。大原、なんか食うもん宜しく。あとコーヒー」
「はい」
「俺もやるよ、大原」
 備え付けの小さなキッチンへ向かう大原の後を神波は追う。
「あそこにいたんじゃこっちのメシなんて食えたもんじゃないかもしれないけどさ、まあ身体落ち着けて」
「そんなことないです、すみません」
 ようやく身も心も落ち着いたように成井は高久と半田に断ってから煙草に火をつける。
「それよりさ、お前ついこないだまでロスにいたんだろ?なんか面白い話とかねえのかよ」
「ロスは男ばっかですよ、それでもいいですか?」
 成井が笑いながらそう高久に返すと、高久はぶんぶんと手を振った。
「うわ、そりゃあ聞きたくねえや。あ、彼女の話とかは?」
「そんな面白いような話じゃないですよ」
「俺らがあっち行くっつーのは無理だからなあ......」
「じゃあ機会があったらここに連れて来ますよ」
「そんなことして大丈夫なの?」
 半田の問いに成井は微笑む。
「ああ、あいつ曰くホステス同士にはそういう垣根がないそうですから。間ではかなり情報交換とかもしてるみたいですけど、それはいくら俺でも聞けませんし。大原、って呼んでいいのかな、君なら知ってるでしょ?」
 ちょうどやってきた大原にそう振ると、大原は驚きつつもにこにこと笑う。
「呼び捨てで構いませんよう、そうですね、あっちにはあっちのルールがあるんだって言ってましたね」
「へえ、そんなもんかあ」
 感心したように高久が呟く。やがて高久と半田を中心に運ばれて来た食べ物に手をつけながら話をする成井の緩い微笑みから、神波は相変わらず目を離すことが出来ないでいた。


back  2
menu